2012年07月09日

理系ピアノ

一緒にいるだけで、楽しくて元気になるっていうヒトがいませんか。

ピアノを始めて10ヶ月のミユキちゃん。

彼女がそんなヒトです。




「すみません、全然練習していません!」
と明るく笑顔で言いながら、
「ヨシ、じゃぁ頑張るぞ!!うん、テキトーテキトー♪」
と、ゴニョゴニョ。


・・・。

ね、ね、心の声ダダ漏れですけど、なにか(笑)
「すみません・・・」って、言葉と満面の笑みのギャップよ!!
「テキトー」って、しーっかり聞こえてるし(笑)

ぐりの教室は練習できなくても、ここで練習していってくださいというスタイルです。

「そっかぁー、そうですよね」

あーっはっはhっはhっはhhっああhっは!!!!

毎回レッスンが始まって、ピアノ弾く前からこんな調子です。
二人分くらいの突っ込みどころ満載なキャラクターで、終わる頃には、二人とも笑い疲れてクタクタです。


大手企業にお勤めなさっているミユキちゃん。
「アキバ系学科と呼ばれている学科に行ってましたーっ!」とあっけらかん(笑)
もちろん優秀な大学だけれど。
「コテコテ理系ってわけでもなくて、選択していったらたまたま理系だったって感じですかね」

『たまたま理系』

いえいえ。
偏差値が超高い大学をご卒業でいらっしゃいます。
やはり仕事のデキる人は、とてもフランクでニュートラルですね。

ミユキちゃんのピアノの取り組み方をみていると、おもしろい。

楽譜は模様的に読んでいるし、リズムは音符同士の距離で捉えている部分もある。
まるで図面を見ているかのように、弾いているのかなと思われる。
ま、楽譜も図面といえば図面だよね・・・

弾いている最中も「うーん、こうかな?よし、多分これか?」とブツブツ言いながらやってる。
鍵盤や抑えた手の場所、形までも、ある種の『図形』として捉えて、頭の中でイメージして手を動かしているかんじ。

もちろんきちんと楽譜を読めるけど、なんていうか・・・
『感覚やイメージ』でやっている部分も多い。

そして「あ!わかった!!!もう1回いいですか?」と、身体で覚えるまで何度もやる。
この一連の動作を繰り返して弾けるようになると「なるほど。
ひゃー!!楽しい楽しい楽しい♪」を連呼するミユキちゃん(笑)


いろんな分野の専門家という方々とお話していると
「うーん、勘かな?テキトーよ、テキトー♪」
という言葉で締めくくられることが、たまにある。

すでにミユキちゃんのキャリアもその域なんだな(笑)


難しいことを分かりやすく
わかっていることは、より面白くするのが
プロだと、ぐりは考えています。

そういった雑談もミユキちゃんとは よくします。

以前、プロサッカーの中村俊輔選手と、Jリーガーに決まったばかりの大学生に、試合の短い映像をみせて、
次に考えられる攻撃のパターンを図にしてもらうという番組を観ました。
大学生は何本もボールの軌跡を書いて、紙面は複雑な模様になっているのに対し、
中村選手は、たった何本かの線による2パターンで、サッカーがわからないヒトにも一目で理解できるシンプルなものでした。

経験がないと、幾通りもの展開を頭の中で考えるため、判断に時間もかかるし、複雑になりますが、
たくさん経験を積むと、考えなくても身体が反応し、無駄がそぎ落とされてきます。

まさにミユキちゃんのピアノの取り組み方ですね。

英会話も勉強なさっているミユキちゃんは、
同じ感覚が英語にもあるとのことでした。

「英語のときは頭の英語の脳の部分を使っているから、英
語ではわかっていても、それを日本語で説明したりはできない。
でも、『こう言われたら 反射的にこう答える』っていうのが感覚としてある」 とのことです。

英語を勉強し始めたきっかけは「洋画を字幕なしで観たい!!!」からだそうです。
字幕って文字数制限があるので、実際の英語とニュアンスが違ってることもあるし、
字幕を読んでいると、描写が観れないのが嫌で、
「もぉー、めんどくさいなぁー。英会話習おう!!」って。

え?めんどくさ・・く・・て? 

あーっはっはhっはhっはhhっああhっは!!!!

またもや二人で大笑い。


で、ミユキちゃんと話した結果をまとめると、
自分の世界を広げるための要素は、
めんどくさがりと、せっかちと、好奇心
ということに(笑) 

それが早く上達する秘訣。

ぐりとミユキちゃんの話がもとなので信憑性にはやや欠けますが(笑)


先日は、ビーチバレーの大会に参加なさった後で、「今日は首が筋肉痛です・・・」と。
まだ筋肉痛は翌日にくるんだな、若いっ!!
ヨガも始められて、「仕事にしたいわけじゃないけど、
インストラクターくらいまでできるといっかなと思ってます♪」と。


「あれはまだ難しいから」とか「そのうちいつか」と言って先延ばしにしていても、
新しく楽しい未知なる世界への扉が開く日はやってくることはありませんね。

ミユキちゃんは『豊かな時間を過ごす』ということを知ってるなって感じます。


のだめカンタービレの影響で、ピアノを弾いてみたいと思われたミユキちゃん。
春のミニコンサートでは『星に願いを』を美しく弾いてくださり、
今は『美女と野獣』に取り組んでいます。
1年足らずですが、ブルグミュラー後半くらいの実力です。
今の段階ではポピュラーを弾きながら力をためて、
ゆくゆくはモーツァルトやショパンなどの曲も一緒に弾いてきたいと考えています。

あ、もちろんテキトーなかんじに♪ですって(笑)

素敵な生き方の女性です。



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Posted by ぐり先生 at 11:37│Comments(1)大人のレッスン
この記事へのコメント
成功する人は、なぜトレーニングを積み重ね、どこを目指し、何をすればいいかを考えて行動する。

伸ばす人は、答えを出すまでのプロセスを大切にし、内在する創造性、可能性に自分で触れるきっかけを与える。

この記事を読んでそう思う。
指導する側、される側どちらも素晴らしい!!
Posted by ぐっさん at 2012年07月11日 23:59
 
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