文系ピアノ

2012年08月05日

笑い死に【わらいじに】 
どうやら本当にそんな言葉があるらしい。
ならば、ぐりは隔週で瀕死の状態にあります。 

このヒトとにらめっこをしたら、ぐりは絶対に勝てる気がしない。アッコちゃんも「それはこっちのセリフ!」って言うかな?
1時間のうち、はたして何分、いや、何秒笑わずにいられるだろうか。
隔週ぐりの命を脅かす存在(笑)アッコちゃん。
「ハイッ!みんなー、集まってー!下がるよー」
・・・弾きながら自分の指に言い聞かせる。
「どー、え?どー、どぉ?!どーがないよーっ!」
・・・アナタの親指の下に・・・波平さん。

ハノンを弾くとき終わりがわからなくなって、
「アレ?どこまでやったっけ?」
まだ、ずっとこっちまで
「え、ほんと?あ、うそうそ、ヒドイ!またそんなことをー」
あら、バレた?いいやん、いつもより余計に弾いてみました!みたいな
「いやいやいやいや・・・あぶないあぶない」

あhっはhhhっははhはhははっはhhhはっは

いつもこんな調子です。

大手設備会社で事務経理のお仕事をこなすアッコちゃん。
年度末は連日の深夜帰宅で、過労によるストレスのため体調悪化。
春のミニコンサートは惜しまれつつも断念なさることに。

人生初のピアノ発表会の予定で、未経験の方が1年目で弾くには、
相当難しいと思われるブルグミュラー後半アレンジだったにも関わらず、
素敵に仕上がりつつあった、幻の『虹の彼方に』

お正月返上で猛練習なさっていたことも、
楽譜を見ずに弾けるまでになっていたことも、
「ハイ、また全然やってないよー」なんて、笑顔で言いながらも相当な努力をしていたこと、
ぐりは知っています。

お疲れMAXのそんなとき、どうやって癒しているのか聞くと、
ベットに転がって、ひたすら音楽を聴きまくるそう。

いいねー。
音楽をよく聴いてるってヒトも、何かをしながらの『ながら聴き』ってことが少なくないはず。
何もせずに『集中して音楽を聴く』と、音楽をより深く感じられて、リフレッシュにもなります。
是非是非お試しください♪


音楽は歌詞から好きになるタイプというアッコちゃん。
ぐりは主に曲から聴くタイプ。
ぐりは、イメージというか、感覚的に聴いているんだな。
演奏者としては、それだけではダメだけれど。

そう話すと、アッコちゃんが、不思議そうな顔をしているので、1枚のCDを貸してみました。
ぐりが大好きなジャズピアニスト吉岡秀晃さんのピアノトリオ♪(ボーカルが入ってないもの)

以前、めちゃめちゃ落ち込んでいた時に吉岡さんのライブに行き、(ぐりにもそんな頃があったのさ!笑)
ライブ中に自分が笑顔になっていることに気付き、帰りには「よし、また頑張ろう!」と足取りが軽くなっていた経験があります。

このときに、音楽にはヒトを元気にするチカラが本当にあるんだ!!と強く確信しました。

CDを聴いたアッコちゃんが、
音符一つ一つが歌みたい・・・言葉(歌詞)なんだ。
せんせいは、音符で歌ってるのが好きなのかなぁと、ふと思った。
伝わりづらいけど。エヘ
って、メールをくれました。

いつも自分の心情を飾らない素直な言葉で書き綴る
アッコちゃんのそんなところが、ぐりは好きです。


さて、次回から取り組む曲を『いつも何度でも』に決めたアッコちゃん。
「あ、コレ歌詞が好きっちゃん!えーっと、なんやったかな・・・

かなしみの数を 言い尽くすより
同じ唇で そっと うたおう


この部分が特にいいっちゃーん♪
ね、ほら、いまの東北の人たちにもね、うん」


ヒトとの会話の中で、ずばりその言葉そのものを言わなくても、
何気ないフレーズから、そのヒトの背景や価値観、考え方に触れる機会はたくさんあります。


先日、音楽で自分の半生を綴る対談番組で、
加藤登紀子さんが、ご主人を亡くされてからの1曲にも選ばれていた『いつでも何度でも』

夫が病床で聴き、ノートに書きとめた歌詞
『サヨナラのときの静かな胸  
ゼロになるからだが耳を澄ませる
生きている不思議 死んで行く不思議
花も風も街もみんなおなじ』
結婚していて夫婦だったんだと亡くなった後におもいました
もっと彼が生きていたときに ちゃんと夫婦でなきゃいけなかったのに。
なくなった後に遺された荷物は多い。
一生懸命夫婦でした。



『夫婦』の設定を、『親子』に『家族』に、『先生と生徒』『仲間』・・・
と置き換えると、いろんなヒトの顔が思い浮かびます。


ちょうど1年前。
アッコちゃんが、ぐりの教室に通ってくださるようになって半年が過ぎた頃、
お父さんの初盆だと聞かされた。

「お父さんが亡くなる前に、“あと10年生きたい、まだやりたいことがたくさんある” 
って、ずーっと言ってたのを覚えてて、そうか、悔いの無いように生きないけんなーっ て思って。
それで、テレビでピアノが入ったきれいな曲を聴いて以来、いいなと思っていたピアノをやろう!って」

ぐりと出会った頃は、お父さんが亡くなってから、まだ半年だったということ、
最初から、いつも明るく冗談を言うアッコちゃんのたくさんの笑顔、
思い出のページをどんなにめくっても、いつもアッコちゃんは笑っていた。

「私より、お母さんやお姉ちゃんたち・・・お父さんと長くいたヒトたちの方が
もっと悲しいはずだから、私ぐらいは元気にしていないと」

自分の感情は抑え、他の家族のことを気遣う。
アッコちゃんにとっての『悔いのないように生きる』ことの一つなのかも・・・と、何も言わなかった。
言えなかった・・・のかもしれないけど。


真剣にやっていると、なんだかおかしくなって笑ってしまう、ほんとは照れ屋なアッコちゃん。
たくさん笑って、自分の気持ちに気付いてしまうのを避けているかのようにもみえる。

ピアノを弾くことは、内観することでもあると、ぐりは考えています。

自分と向き合う。

お父さんがアッコちゃんに遺した荷物なのかもね。
『いつも何度でも』は、お父さんからのメッセージだったんじゃないのかな。

お父さんがカラオケで唯一歌っていた曲だからと、マイウェイをいつか弾きたいと言っていた。
口に出せない思いをピアノで奏でてもらいたい。
そのとき、『音符一つ一つが歌みたい・・・言葉(歌詞)なんだ』と、実感できると思う。

そんな日は、そう遠くないはず。
きっと、お父さんも楽しみにしているだろう。

アッコちゃんと出会えてよかった。
こんな出会いをつくってくれたアッコちゃんのお父さんにも、ありがとう。

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この記事へのコメント
私も数年前に母を亡くしました。
読みながら、ジーンとするとともに、なんだか気持ちが引き締まりました。
こうして考えると、大切な人の死にも意味があるのですね。

先生のお人柄は勿論ですが、
先生を慕われる生徒さんも素敵な方ばかりですね。
Posted by なっちママ at 2012年08月08日 15:34
ぐりさんの記事にかなり影響を受けている私です。
いつも自分の文章のテーマが、ほとんどカブッてて、読み返すと驚きます。

母から『お気に入りの誰かの歌詞が、いつの間にか自分の言葉と混同して盗作騒ぎになったアイドルグループのメンバーがいたね』と、笑われましたww

私のは、中身が伴わないただ真似ただけの薄っぺらな言葉。。。
読む人が読めば、わかるんですねww

いつか私も、ぐりさんみたいな先生になりたいです。
2学期は、いよいよ実習です。頑張ってきます!!
Posted by nao at 2012年08月11日 11:56
 
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