家族力

2013年06月17日

リョータくん5年生。
ぐりの教室に通ってくださるようになって3年半になります。

ずいぶん長くレッスンしているような気がするけど、
あー、まだそのくらいなんだな・・・と感じるほどに
濃すぎる時間を過ごしたように思います。

参照:『やっと1年、もう1年』 『鉄は熱くして打て!!』

この間、ぐりは『家族の結束』によるリョータくんの成長、
ご両親の変化の過程をそばでずっと見てきました。
リョータくんにおいては、昨冬から内面の目覚しい成長が続いています。


小さな生徒さんをエントランスまで送っていき、
その生徒さんのお母さんとご挨拶をしているところに向こうから歩いてきたリョータくん。

姿は確認できるけど、なかなか入って来ないなぁーと思って声を掛けると、
「話の邪魔になるから、あっちで待っていようと思って・・・」と。

当時4年生で、ここまでの気遣いができるなんて、感激のあまり言葉がありませんでした。

そして、入れ違いになる小さな生徒さんとも顔見知りになり、
ひとりっこのリョータくんに『おにいちゃん』としての自尊心が芽生え、
とても微笑ましくなるような光景を何度か見かけることもありました。


玄関を開けたところに置いてあるナノブロックのピアノは
リョータくんが作ってくれたものです。

プリント課題の問題を読むだけでもイライラしてしまうほどでしたが、
こんな細かい作業ができるようになっているなんて・・・

チビッ子たちが、「あ、ピアノー!!」と眺めています♪

療育レッスンは、もともとは知能教育として、健常の生徒さんたちにセットで受けて頂いていたものですが、
今では、支援を必要とする生徒さんたちをメインに改善を目的としてのレッスンとなっています。

まだ頭が柔らかく、たくさんのことを吸収していく段階に
図形、読み書き計算、リトミック、聞き取りなど機能の訓練、身体の調整・・・
いろんなところを同時に整えていくことが、本当に大切です。

リョータくんには、上記のカリキュラムに加えて
レッスン前に「椅子に座って待っていてください」と告げて
1分くらい(って結構長い)部屋に一人でいる練習も3ヶ月間してもらいました。

そんなことは教えなくても自然と覚えるだろう、と、一般的には思われていることでも、
一つずつ教えていく必要があります。

アクシデントは一人でいるときに起こりがちです。
『そうならないように』教えることも大切ですが、
『なってしまったとき』にどうするかを教えていくことも重要なポイントです。


凸凹っ子たちが、かなりの率で苦しんでいることのひとつに、
『指示や問題の独自の解釈』により、うまくいかなかったり間違えてしまうことがあります。

自分独自の解釈で回答→間違える→(イラッ)→解説の途中で正解に気付く→(イライライライラ)

日々こんなことの連続なのかと思うと、モチベーションを保つことのほうが難しく、
傍目にはちょっとしたことのように見えることでも、ふてくされてしまう気持ちはよくわかります。
問題にも先生にも、自分にも、もう、そこいらに在るもの全てにイライラしてしまうのでしょう。

プリントの問題を読んでは腹を立て、教材の紐をほどけなくては腹を立て、
しまいには鉛筆が落ちては腹を立て・・・
よく怒っていました、本当に。

しかし、それもカリキュラムをこなしていくうちに、随分と緩和されてきました。

「ボク、図形の問題はクラスで上位です!」

そんなことを嬉しそうに教えてくれたこともありました。




念願のブルグミュラーに進級しました。

まさか以前は低緊張で姿勢を保つことが難しかったなんて、とても想像がつきませんね。

ピアノを弾く男の子って、カッコイイです♪


さてさて、リョータくんのこの著しい成長の訳は、もちろんご両親あってこそ。

「フツーでいいです。もう、フツーに過ごせたらそれだけで」
と、よく泣いておられたお母さん。

慰めたり、励ましたりする必要もなくなり、ビックリするほどタフな心になられました。
というより、本来のお母さんを取り戻されたというべきでしょうか。

お母さんが、一つずつ癒えていくというか、心づもりができていくことが、
発達障がいのお子さんの成長には欠かせないと思っています。


年末にお会いしたお父さんからは

「子どもをダメにしているのは大人だ。
子どもの付録が、昔は豪華客船なんかで、細かいパーツがいくつもあったのに、
大人が子どもに変な気を遣って、簡単に組み立てられるものにしてしまった。
そのせいで子どもが創作意欲をなくしたり、手先が不器用になっている」

と、ご参加なさった講演会のご感想を熱くお聞かせ頂いたときには、
初めてお会いした頃の、リョータくんの将来をひたすら心配していたお父さんとは違い、
お父さんとしての貫禄いっぱいでした。


会社で多くの方々を導いたり、育てる役割も担っていらっしゃるお父さん。

「以前は、なんでできないんだろう?と思っていたけど、
最近は、どうしたらできるんだろう?ドコで躓いているんだろう?
という考え方をするようになったんです」



(´;д;`)ブワッ


嬉しすぎる・・・


『微差』ちょっとしたことに早く気付き、ちょっとした行動を積み重ねると、やがて大差となります。

小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だと感じている イチロー

家族が一丸となって、小さな変化や工夫をコツコツ続ける。
しかし実は続けるということが非常に厳しく難しい。

でもやっぱりこれこそが、困難を抱えた子どもたちにも明るい未来を切り開いていくチカラを手に入れる王道なのだと思います。

リョータくんのご家族をみていて、強くそう感じます。


自然教室から少しお兄さんになって帰ってきたリョータくん。

挨拶も、お行儀も完璧で、
周りへの気遣いもできる素晴らしい少年に育っています。

ぐりは、いつでも応援しています。

ありがとう♪


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この記事へのコメント
素敵なご家族ですね。
男の子でピアノ弾けるとカッコいいです!
Posted by デイジー at 2013年06月17日 19:26
発達障害の子どもの親御さんと関わるのって本当に大変ですよね。
何故ならかなりの確率で親も発達障害ですからね。
自分の立場、相手の立場なんてわからないから目上の人への口のききかたなんて全然だし、
おそらく、ぐり先生の指導のお陰で伸びたことなんてわからずに絶対感謝しないでしょう。
それでも発達障害と関わる姿勢を崩さず、寧ろ向上を志すということは、
障害を理解し、受け止めるだけの相当な覚悟と知識、技術なのでしょう。
同じテーマを持つ者として、励みになります。
更新、楽しみにしています。
Posted by 通りすがり at 2013年06月18日 01:53
生徒様はもちろん、親御さんも成長させてこそ、真の指導者。
先生の人徳、人格により良い循環が行われているのだと思います。
Posted by 安河内 at 2013年06月18日 12:11
ブルグミュラーは、普通に習っていても弾けません(>_<)
Posted by 水野恵美子 at 2013年06月18日 17:10
ぐりさんだから できること
ぐりさんにしか できないこと

数をこなした人だからなせることですね。
Posted by ぐっさん at 2013年06月19日 11:50
のんびりユルい感じがいいなら療育へ行けばいいね。
そんなことをしている間にも時間はどんどん過ぎるけど。
Posted by ニシダヒガシダ at 2013年06月21日 11:01
私の教室では、お子さんにぴったりくっついて、
レッスンの最中に勝手に声を掛けたり、席を立ってピアノを弾いているお子さんの隣に立ったりするお母さんがいらして困惑します。

お子さんは集中を欠くどころか、お母さんの顔色ばかり気にして少しでも間違えると隠れようとします。

お母さんにお願いしても顔を引きつらせて、もう辞めると言いますし、
私も、他人ではなく親がジャマしているのだからと考えるようにしています。

辞めると言うと引き止められるとでも思っているのでしょうか。

他のコメントにもありますように親子で発達障害なら、それも仕方ないのでしょうか。
特に男の子のお母さんです。
Posted by エリーゼ at 2013年06月21日 13:54
↑いわゆる空気が読めないという特性と、見捨てられ不安という特性です。
大人の場合は二次障害ということも考えられるので、もし、このような方にクレームを言われても腹を立てたり傷つく必要はありません。
Posted by 通りすがり at 2013年06月21日 16:41
私は体操教室で助手をしていますが、やはりお母さんがアレコレ指図して、トラブルが起きています。
確かに見守るようお願いすると、すぐに辞めると言いますね。
発達障害の知識はありませんが、ちょっとおかしいなと感じる親御さんを理解するために、これから勉強しようと思っています
Posted by 船津 千春 at 2013年06月22日 01:41
↑親御さんが発達障害だからというよりは、単に教養がないだけというの場合もあります。
どのような障害があろうとなかろうと、親が頭が悪いと定型の子どもでも健全に育たないでしょう。
Posted by 通りすがり at 2013年06月25日 09:31
ぐり先生、こんばんは。
今Eテレで自閉症が取り上げられた番組をみていました。

親も子も、みんな歳をとるのですよね。

私たち親は、いま、今日が精一杯で、先のことなど考えられる余裕などありません。

番組をみて、20年後の現実を目の当たりにしたようで、正直ショックでした。

ぐり先生が、発達障害のお子さんたちに、
その生徒さんたちのずいぶん先のことまで考えて
レッスンなさっていらっしゃるお気持ちがわかりました。

ぐり先生に出会えたことを本当によかったと心から感謝しております。

ありがとうございます。
Posted by 小向 夏海 at 2013年06月26日 01:17
なんかコメントのびてますけどww
すごい頭よくて、ずば抜けた洞察力と指導力をもった先生。
私が憧れる人です。
Posted by nao at 2013年06月27日 11:03
 
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