病気のお子さんと初めての晴れ舞台

ぐり先生

2014年09月02日 18:53

トオルくん、5年生。
彼は、難治性の病気と共に生きています。




発表会で、作文を発表してもらいました。

レッスンで最初の1行だけ一緒に考えて
後は、トオルくんが自分の言葉で書いた文章です。


ぼくは、今、5年生です。
3年生の12月からピアノを始めました。
最初は下手でした。
緑色の本になってから楽しくなりました。
自分から「ピアノをやりたい」と言いました。
今は、やって良かったなぁと思っています。
発表会の曲は、とてもむずかしかったです。
今までで、一番練習しました。
そしたら上手になりました。
今、ぼくはピアノをひくと、もっと弾きたいと思います。
今日は、ぼくは初めての発表会です。
きんちょうするけどがんばります。



素直な気持ちを飾らない自分の言葉で綴ってくれました。
会場からたくさんの拍手をもらって嬉しそうにしていました。


後日、お母さんが発表会の写真を選びながら
「トオルは、写真があんまりないけんねぇ」と、ポツリ。

生後、間もなく手術をしてから入退院の繰り返しだったトオルくん。
あぁ、そうか・・・と、ぐりは胸がつまりました。

筋肉が弱いのも症状の一つだそうで、
ピアノを始めた当初は、か細い指でバラバラに動くはずもなく、
小さい小さい音を出すのが精いっぱいでした。

もちろん体力もなくて、学校だけで消耗してしまい、
フラフラでやってきては、ピアノの前で、ウトウトしたかと思うと、ゴンッと頭をぶつけたり(笑)

手指が硬く突っ張った状態だった、以前のトオルくんを知っているお友達が、
発表会に応援にいらしてくださって、バリバリ両手でピアノを弾くトオルくんをみて大変に驚かれたそうです。
また、ミュージカルをしたり、カメラに向かって笑顔でピースする姿にも
さらにさらにビックリなさったそうです。

「以前はカメラなんて向けたら、スグうつむいて拒絶でした」と、お母さん。


えええええええええええええええええーーーーーーーーーーーっ?!
そんなコやったっけ?笑


なんて、思うくらい見違えます。

初めて教室に来てくれたときのトオルくんを思い出されます。
ずっと黙ってうつむいたまま、鍵盤の下にあるツマミをネジネジネジネジ・・・
取れちゃうかと思いました(笑)

「レッスンを受け始めてからは、この子が病弱で体が小さくてそんな子だったってことを私も最近だんだん思い出すことも減ってきましたけどね」
なんて、お母さん。


そんなこと・・・と、また ぐりは胸がつまります。


トオルくんが発表会で演奏した曲は、『ピアノランドマーチ』『踏まれた猫の逆襲』の2曲です。
音楽的にも非常によく弾けていました。
全員2曲のノルマでしたが、それをこなせたのはトオルくんだけでした。
1年半前は指が全然動かなかった彼が、どれほど『じょうずになった』のかをお察し頂けると嬉しいです。


写真だけからは、人には聞いてみないとわからない思いってありますね。

お母さん方が、皆さん、楽しそうに写真を選んでいらっしゃったお姿に、
ぐりも隣で見ていて、とてもハッピーな気持ちにさせてもらいました。

そして、改めて写真の良さを感じたのと同時に、
たくさんの人を笑顔にしてしまうような写真を撮ってくださった、
かつきしょうへいさんに撮影をお願いして良かったと心から思っています。

みんなありがとう。


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写真家 かつきしょうへい
おでかけふぉとぐらふ 福岡の家族写真出張撮影 http://odekakephoto.com/

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