通級から通常学級へ、才能を開花させて公立の単位制高校へ。

ぐり先生

2019年09月15日 03:58




リョーくん。
ぐりの教室でのレッスンも9年半を過ぎ、もう高校2年生になっています。

クラシックの定番でザックリとすすめてきて
形式的には小6でブルグミュラーを終えるレベルまでの
練習とレッスンを耐えこなしています。

ある程度の曲は初見でもそこそこ音楽的に弾ける腕前です。

中学校では3年まで同じ担任の先生という配慮をいただきました。
あれほど遅刻や欠席でやり過ごした小学校生活とは打って変わり、
皆勤賞を目指す中学校生活。

級友とは積極的にかかわるタイプではないので
本を持っていったり、図書室や校舎の裏など、
休み時間などを一人で過ごす場所は決めていたようです。

驚かされたのは、中学2年、3年と合唱コンクールの伴奏に立候補したこと。
中2は『COSMOS』 中3は『流浪の民』 ソコソコ難しい曲・・。
いずれもオーディションという形式があり、レッスンでも取り組んで選ばれました。

級友からは「すごーい!!」という称賛を肌で感じ、
初めて人に認められるという大きな経験でした。

ピアノが他者からと自己の承認を満たす存在になったことを確信した経験でもあり、
それはきっとご両親も同じで、これまでのいろんな想いを埋められたのではと思っています。







合唱の伴奏の経験が大きな自信となって、急速に内面と社会性も成長をみせたのでした。


当時、芸人さんが小説を書いて話題になっていたこともあり、
リョーくんも刺激を受けて文章を書くようになり、
文章力が磨かれて先生に高評価をいただき、
大きな学校行事で全校生徒、保護者の前で弁論のように発表する機会にも恵まれました。

その様子の録画をDVDで拝見したのですが、
もう本当に堂々とした『ザ☆弁論』という感じで、あっぱれ!!です。
誰にならったわけでもないのに・・。



そして、中3のクラス替えで初めて気の合う友人にも恵まれて、
その友人のお誘いで体育大会の応援団にも立候補するという、
これまた嬉しいびっくりニュース。


運動機能、感覚機能に困難を抱えており、いろいろと大変ではありましたが、
それでも勇壮な姿は、ご両親にとっても思ってもみなかった心に残る体育大会になったことでしょう。


終わり良ければ総て良し。

長い人生の通過点の1つではありますが、
無事に中学校生活を過ごすことができただけでなく、
特性を克服する経験にたくさん恵まれて、
ご家族で充実した気持ちと自信に満たされたことは、
大きな大きな財産になったとことと思います。


そして迎えた高校入試。

もちろん学力も必要です。

それまで提出物などはむずかしく、
試験勉強は・・・笑

といっても、勉強なしでも5,6割という成績だからすごい。


文章の読み書きがこれだけできて、雑談もそこそここなし、
ピアノも初見でかなりの曲を弾ける様子からも
能力は秘めているのだろうけど

学校の勉強は本当にキライなのだろうなという印象でした。

「勉強なしで、よくその点数がとれるよね?!って、いつも親に言われます」
と、ご両親も感心するやら困惑するやらですね笑


それでも、受験を現実的なものとして意識できるようになると行動も変わりましたね。

皆勤を目指して自己管理をするようになったり、提出物も意識したり、
何より自分から試験勉強をするようになりました。

数学を一緒にやってみると、数式の改行など
ちょっとしたところでわかっていなかったことを発見!

今まで点在していたものがパタパタとつながる感じで、
それに伴い、中3の後半には成績もついてくるようになっていました。

国語は言うまでもありませんし、
英語は洋楽好きのおかげで今のところは勉強いらずです。


『読む、書く、発表する』の自信と能力の高さは、
高校入試でも、作文や面接において、
練習の段階からお墨付きを頂き、
余裕をもって臨めたような印象でした。


そして第一志望の公立の単位制高校に見事合格!!素晴らしい!!



朝が超絶ムリなリョーくんにとっては、単位制というのはピッタリ。
4年かけてカリキュラムをこなす予定です。


高校生になってからも、
事あるごとにピアノ演奏の機会には恵まれて
たくさんの人から称賛を浴びているようです。


ここまでの成長と活躍を遂げ、
こんなにもピアノと共に歩むことになろうとは、
楽器をご用意してくださったご両親も喜びいっぱいのことと思います。



リョーくんが、ぐりの教室にいらしてくださった時から、
小学生の間、一貫してご両親にお願いしていたことは
学校の成績を追わないで頂きたい、学校はなんとなくこなせたらいい
ということでした。

そのぶん、ご家族で体を使うこと、感性を刺激すること、思い出をつくることに
たくさんの時間を費やしてくださったように思っています。


教育は必要だと思っています。
ですが、学業優秀ということと、
生きていく力があるということはまた別なようにも思っています。


もっとも身近な存在が、心配のあまり、
うっかりブレーキをかけることに
なっていたりもするので気を付けたいところですね。


勉強ができるタイプは勉強したらいいし、
技術が要ることならば早くその道に。

それをどのように使って人の役に立つことができるか、
を考えられるまでになってくれたら嬉しいです。


続けた先に道はひらけます。


そしてこれは、つい最近のことですが、
自分の行動や嗜好について「ボク、ちょっと変わってるんです」
などと、初めて自然に笑って言葉にしたことがありました。

そんな言葉を口にできるほどに
自信をもって強くなったのかと、
本当に嬉しく思いました。



長年、遠方より送迎してくださるご両親には深く感謝申し上げます。
リョーくんのここまでの成長は、ご両親の深い愛情あってのことです。

え・・17歳?!

子どもが大きくなるのは、あっという間ですね。
ぐりも歳をとるはずです。

いまはまだ、通過点のひとつ。
どんな道を通ったとしても、辿りつけばいいと思っています。

ぐりは、いつもリョーくんを応援しています。

誕生日おめでとう。

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